2025年11月25日

徳の交わり

124 徳の交わり.jpg 鹿児島に行ってきました。天候も良く雄大な桜島をくっきり眺めることができました。また町を散策する時間があり、西郷隆盛邸跡の公園にも巡ることが出来ました。その公園には写真の銅像が設置されています。
 西郷隆盛と庄内藩の菅実秀とが並んだ銅像で「徳の交わり」と名前がつけられています。幕末の戊辰戦争では、薩摩藩と庄内藩は、新政府軍と旧幕府軍に分かれて戦闘を行っています。勝利したのは、新政府軍であり旧幕府軍側は厳しい処罰を覚悟していました。このとき、新政府軍の西郷隆盛(南州)は公明正大に取り扱い、極めて寛大な処分を行いました。この西郷の誠実で徳のある対応に、恩と尊敬の念を頂き、庄内藩の旧藩士たちが、鹿児島の西郷宅を何年間も訪れて教えを請い、交流を深めたとのこと。このような深く双方の徳を積み上げるような交流を讃えた銅像です。
 西郷自身は、本を出していないようですが「南洲翁遺訓」という西郷の教えをまとめた本が旧庄内藩の人々によって刊行されています。西郷の語った言葉、その背景にある思い、考えが聞いている人々に染み渡り、教訓として残すべきものとしてまとめられたのでしょう。
 「徳の交わり」の銅像とその設立までの経緯を知るにつけ、人と人とのつながりの素晴らしさと温かさを大いに感じました。先達の有り難い取り組みが後世に受け継がれ、今後も「徳」が連綿とつながる世の中になることを願っています。
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2025年09月24日

甲良宗広・大棟梁

123 甲良宗広・大棟梁.jpg 9月に栃木県・宇都宮市に行く機会がありました。台風の接近などがあり早めに現地入りしたところ、台風の影響が少なかったので足を伸ばして日光東照宮を参詣してきました。
 ご存じのように徳川家康公が奉られていて絢爛豪華な社殿があり、みざる・いわざる・きかざるの三猿や眠り猫などの見事な彫り物があり、鮮やかな色彩、彫刻が施された建築物がずらりと並んでいます。薬師堂の天井には龍が描かれていて、その顔の下で手を叩くと龍が泣くいているような残響が残ります。フラッターエコーという原理ですが、このように芸術的な極みとともに感性にせまるような見事な仕掛けもあります。
 日光東照宮の創建は1617年ですが、現在のような形になったのは寛永の大造替(1636年)と言われています。そのときに陣頭指揮に立ち、全国各地の棟梁、職人を束ねたのが、滋賀県甲良町出身の甲良宗広・大棟梁です。この大造替の功績により名字帯刀を許されたようです。宗広・大棟梁の縁もあり、甲良町と日光市は姉妹提携を結んでいたようです。
 建築物に限らず、ものづくり、コトづくりには、多くの工程があり、多くの人が関わりながら完成を迎えます。最初の方の基礎工程では最終形までは見通せないことも多々ありますが、その出発点から積み上げながら最終の造形、最終形まで「情熱」と「技」と「思い」をつないでいくことで、人々を感動させるものに仕上がっていくのでしょう。

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2025年07月25日

戻ってきた修士論文

122 戻ってきた修士論文.jpg 
 先日、ある方からお手紙を頂きました。その内容は「家の整理をしていたところあなたの修士論文が出てきたので送ります」とのこと。急に送ると何か事情があって、申し訳ないことになるといけないと配慮されての事前案内の手紙でした。後日、大学に届けて頂きました。
 この修士論文(コピー)は、大学のゼミでお世話になった先生に、お贈りしたものでした。私が同封した手紙、ならびに学部の機関誌に先生がご紹介頂いた記事の原稿も挟まれていました。三十数年前に送付していたのものが大事に保管されていたことに感激するとともに、家の整理をする中で見つけられた先生のお嬢様が当方を調べて届けて頂いたことに深く感動致しました。



校友さんしゃ 1987年10月1日記事切り抜き.jpg 大学を卒業後、スポーツ科学を学びたく体育系の大学院に進学しました。京都から東京へ移り、最初は慣れない中、先生からは励ましの手紙、葉書をもらい勇気づけられたことも改めて思い出しました。先生がお亡くなりになってかなりの年数になりますが、奥様とはその後に年賀状のやりとりもさせてもらい、思いやりのある言葉を頂いていました。


 大学教員として、学生と関わる立場になり、先生のようにはまだ成れていませんが、学生の成長・発展を長い目で見守ること、学生との時間、交流の中で共有すべき大切なもの、共に考えるべきことを再度見つめ直す重要性を、今回の出来ことが教えてくれました。改めて恩師に感謝です。



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このコラムの後日談があります。先生のお嬢様より、「卒業論文、名簿、校友さんしゃの新聞なども見つかりましたのでお送りします」のメッセージとともに、写真の卒論などを届けて頂きました。当時のゼミ生の名簿は,感光紙を使った複写で青色がかったのが特長です。非常に懐かしく、当時を思い出しました。
 いずれにしても、ここまで丁寧に恩師が保存してくれていたことを改めて、有り難く感じ、学生時代の想い出を振り返ることが出来ました。




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