2016年05月31日

未来の働き方

 いま学生に無くなって困るものは?と質問するとおそらく大半は、「スマホ」と答えるかもしれません。ネット接続によって色んな情報、機能が手元に集約されて非常に便利です。ネットを通じた連絡、電話でのコミュニケーション、ネット決済、学習アプリ、辞書、カメラ、ビデオなど、片手の中にあらゆる機能が収められています。アポロ11号が月面着陸したときに管制制御した当時のコンピュータを遥かにしのぐ性能が今のスマホにはあります。
 このようなネット社会が、さらに進展しIoT(Internet of Things)時代になってきています。これはあらゆる「もの」がインターネットにつながり、センサーと通信機能を持った「もの」が、情報を計測・観測して、判断して、フィードバックを与えることになります。さらには「もの」からの情報が集約され莫大なビックデータをAI(Artificial Intelligence)人工知能の技術により解析し、行動・判断の情報を返すようになります。例えば、ネットである本を検索していて、数日経って別のことをネット検索していると、関連する本の広告を目にすることがあると思います。これなどもAIによる解析によるプロモーションです。別の例では、ソファが欲しいと思って検索していて、数日後に初めて訪れた家具に入った瞬間に店員から名前を言われ、ソファの選択肢を的確にアドバイスされセールスされる、ということが起こります。なぜ、このようなことができるかというと、「検索する」ことで興味・関心の情報が集められ、ネット上のスケジュールから予定が読み解かれ、SNSなどから本人の顔などのデータが取得され、店の入り口の防犯カメラによって、本人の来店が認証された時には、欲しいソファの選択肢、名前、その他のプロフィールが店側にはわかっています。
 このように人の行動について、ネットにつながった多くの情報をAIが判断しその結果を経済的活動に活用することは既に始まっています。そうするとどうなるかといえば、研修してもなかなか成長しない社員を雇うよりは、優秀なAIに投資するようになります。おそらくその傾向はこれから益々加速されるでしょう。いま日本においては、小学校からキャリア教育が始まっていますが、この世代がバリバリ働き出す頃には、今の仕事の半分は無くなり、新しい仕事に置き換わると言われています。場合によっては会社そのものの存続、存続形態も大きく変わると言われています。
 そのような近未来において重要になってくるのは、人間でしか生み出せない高度な価値を生み出す人です。『未来から選ばれる働き方』(神田、若山著、2016)によれば、コネクティング・インテリジェンス(connecting intelligence)が必要であることが強調されています。一人の情報、処理では追いつかない時代にあって、コンピュータの情報も駆使しながら、さらには多くに人々をコネクトして巻き込み、力を引き出しながら、新しい価値を創造していく、起業家的マインド、変容型リーダーシップ持った人材が求められます。
 そのような人材になるためには、失敗を恐れず果敢にチャレンジすること、自己変革を起こしながら、楽しみながら明るく行動できることのようです。このような人材・若者が本学で育ち、輝く未来を拓いてくれることを願っています。
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2016年05月25日

時間割引率

 行動経済学という学問分野があり「時間割引率」という観点で、経済活動のみならず肥満などの問題を検討して研究があります。時間割引率とは、今日1万円もらえるとして、1週間待つとした場合に11000円なら待てるとすると、今の10000円と1週間後の11000円が等価となり、1週間という時間で約9%割り引いて見ていることになります。もし、1週間後に15000円なら待てるとすると33%となります。 
 食べ物で置き換えてみても同様なことが計算できます。今、目の前のクッキー3枚を食べるのと1週間待って6枚をもらうのを比べると、大抵の人は確実な現在を選ぶことになるのではないでしょうか。食べ物に関する時間割引率と肥満の関係については明らかで、時間割引率の高い人、すなわち現在の欲求の方を選択しやすい人は肥満しやすいとなっています。
 またこどもを対象とした興味深い実験があります。目の前にマシュマロ1個が置いてあり、「食べてもいいけど私が少しでかけて戻ってくるまで我慢したらもう1個あげるよ」という実験です。我慢できたこどもが約3分の2。さらにその後の追跡調査してみると、我慢できたこどもは肥満率が低いだけでなく、成績も良く、社会的地位も高いということでした。
 多くの人は将来を現在よりも低く評価し、不確実な未来よりも確実な現在の欲求を選びます。『未来』を高い志によって挑戦すべき確かな目標にできると、未来を割り引かずに見つめられるでしょう。
posted by 忠 at 13:57| Comment(0) | 【Lakes Magazine】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする