2017年03月13日

【オートファジー】

先日、学内で開催されたシンポジウムで、
「健康維持は死ぬまで自転車操業−タンパク質は壊されないと生きられない−」
木南先生(順天堂大学)

の講演を拝聴する機会を得ました。講演の内容は、オートファジーと健康に関する内容でした。大隅先生が、昨年ノーベル賞を受賞された内容もオートファジーに関するもので、一般にも広く浸透してきていると思います。

 ご存じのように我々の身体(細胞)は新陳代謝を繰り返しながら、生命を維持しています。これは恒常性としてよく知られています。その際に、身体を構成しているタンパク質は、常に入れ代わっています。1ヶ月で全身が入れ代わるともいわれています。ということは、タンパク質が常に合成されているとともに、つねに壊されていることになります。

 なぜこのようなことを繰り返すのか、と考えると、タンパク質をつくるときに不良品のタンパク質ができたりします。もちろん、使っている内に使えなくなるタンパク質が出てきます。このような不良品・使えないタンパク質のまま放置しておくと、全身がゴミのタンパク質が山のようにたまってしまい、病気を引き起こしたりすることになります。そのため、不良なタンパク質を壊すシステムを働かせて、選択的にいらないタンパクをみつけて壊し、細胞の正常状態を維持しています。このあたりのシステムが、『オートファジー』といわれているところです。人間の生体維持システムの精妙さです。

 人と車との比較の話では、人も車も、食物(ガソリン)を食べ、活動(仕事)をし、排泄物(排気ガス)をだして、やがて老化します。ただし、車は部品交換を必要なときにだけ行っていますが、人は常時、部品の交換を行いながら、身体を維持しています。まさに、講演のタイトルにあるように、造っては、壊しの自転車操業で、人間の身体は維持されています。自転車操業は、経済活動ではあまり良い意味では使われていないですが、人にとってはまさに生命線の活動です。
posted by 忠 at 13:26| Comment(0) | 男子陸上部☆部長コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月02日

【Team GB】

2016夏のオリンピックは、ブラジルのリオデジャネイロで開催され、初めての南米開催となりました。開催前、開催中に、競技以外のことで取りざたされましたが、競技には大きな影響もなく無事に閉幕したように感じています。いよいよ東京2020にバトンが渡った、というところです。

ところで、これまで多くの都市(国)で、オリンピックが開催されてきました。開催国は、ホスト国として、あらゆる資源を活用して選手強化をはかり、好成績を収めてきました。また、その貢献の一つに、近年のスポーツ科学研究によるサポートがあるのはご存じの通りです。ホスト国が、開催した年のオリンピックで活躍するのはよく知られていますが、たいていの場合、次のオリンピックでは、メダル獲得数を減らしているのが常でした。

ところが、例外をもたらした国があります。どこでしょうか、分かりますでしょうか? それはイギリスです。ロンドンオリンピックでのメダル獲得数は、 65個であり、 リオデジャネイロでは 67個となり、ホスト大会の次回大会で唯一、メダルを減らしていない国となりました

では、その理由は何だったのでしょうか?もちろん多くの要因があったと思いますが、先日、イギリスのノッティンガムで行われた英国スポーツ運動科学会で、リオデジャネイロオリンピックのイギリス代表統括を担当した、マーク・イングランドさんの基調講演から、その要因を考えてみました。

マークさんの講演のアウトラインは次の通りでした。
01 Clarity of our rule
02 Understanding the playing field
03 Forensic understanding the environment
04 Create the right structure & pick the right team
05 Create and believe a mission
06 Create a optimal team
07 Create the optimal environment Performance first principles
08 Outcome
このうち、05と06について少し紹介します。
05 Create and believe a mission における、mission(使命)とは、「歴史をつくれるチームにする」ということであり、このことをチーム全体でつくりあげ、信じ切ることが大事であることを徹底的に浸透させたことが大きな聖子につながっています。そのためには、ロンドンオリンピックで標準となったもの以上の準備、サポート、パフォーマンスを上げる、というミッションの具体化が進められました。

06 Create a optimal team においいては、
「英国は一つのチームである:one team GB (Great Britain)」ということを選手、スタッフに常に意識させたということです。選手は、誇り(pride)、 尊敬(respect)、一体感(unity)、責任(responsibility)をもって大会期間中、自らの競技に専心し、自競技がないときには、みずからのTeam GBとして他競技の応援することが徹底されていたようです。もちろん、選手、スタッフの行動には、高い意識と思いに裏打ちされてのことと考えています。

一つにまとまる。言葉は簡単ですが、種目も違い、年齢、キャリアも違う多様で、かつ大人数の集団を一つにまとめるには、missionを個人レベルから全体レベルまでを通じて徹底し、概念的なものだけでなく、具体的な行動にまで定着させることが極めて重要であることを学びました。この徹底が、イギリスチームの成果につながったのでしょう。

 スポーツのみならず、あらゆる組織、集団、社会においても大事な教訓になると感じました。
posted by 忠 at 16:18| Comment(0) | 男子陸上部☆部長コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月18日

【マスターズアスリート 宮崎秀吉さん】

いま、リオデジャネイロでは、オリンピック大会真っ盛りです。オリンピックの後は、パラリンピック大会です。2020年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催されますが、2021年に日本で開催されるスポーツの世界大会は何かご存じですか?関西で開催されます。ワールドカップラグビーではありません。ワールドカップラグビーは、2019年です。

そうです、『ワールドマスターズゲーム』です。ワールドマスターズゲーム2021が関西で開催されます。何と記念すべき10回大会で、アジア開催は初めてのことです。競技種目は、これから発表されますが、 個人種目である、陸上競技、水泳、アーチェリー、柔道、ウエイトリフティング、団体種目である、バスケットボール、ソフトボール、ハンドボール、ラグビーフットボール、 セーリング、 水泳、などが予定されています。参加条件は、「年がいっていること」「参加費を払うこと」が主なものです。“日本代表”になるチャンスですので、年齢が25歳以上(種目によってはそれ以上)の方はチャレンジして下さい。

さて、表題の宮崎秀吉さんです。マスターズアスリートの代表格で、多くのファンがおられます。本にもなっています。なんと、競技を始められた(スポーツを始められた)年齢が92歳。そこから、陸上競技のトレーニングをはじめて、100歳の100m世界記録を樹立(陸上、水泳などの記録は、5歳刻みで認定さています)。昨年は、なんと105歳の年齢区分で、100mと砲丸投の世界記録を樹立されました。これらの種目の年齢区分はそれまで、100歳でしたが、105歳のスーパーアスリートが誕生しました。

今も早朝からトレーニングされ、朝、昼、夜と体操、補強運動を欠かされないとのこと。健康長寿のお手本のような方です。

いくつになっても、夢中になり、チャレンジすることが人生を輝かせて長寿につながるのでしょう。その意味では、スポーツはいくつになっても本当に良いものです。  
posted by 忠 at 00:00| Comment(0) | 男子陸上部☆部長コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする